高校生になる娘は坂道グループのファン
年ごろになった娘との会話も減っていた中、「いつかライブ行ってみたい」
という話を耳にして、入学祝いを兼ねてサプライズを計画していた
新型コロナウイルスが少し落ち着くのを待ったことで予定より時間はかかったが、
今回ようやく娘の「dream」を実現
チケットの手配からPCR検査まで万全の状態でライブ当日を迎える
車での移動中、かわいい女の子に憧れる年ごろになった娘の成長や
娘の「dream」を叶えることができるなど、1人で充実感に浸っていたのも束の間、
その娘の雰囲気、滲み出る空気、そして言動から、ようやく悟った
すべてが自己満足であった、ライブには行きたかったが本当は・・・
『父親と一緒に行きたかったわけではない』
動揺しながらもすぐさま裏方として立ち回るべく、自分に言い聞かせる
『私はただのスポンサー兼運転手』
それからはグッズの受け渡しから写真撮影、入場の段取りまで献身的にこなす
どさくさに紛れて記念に娘とのツーショットも1枚ゲット
公演が始まる頃には娘はご機嫌で双眼鏡で推しメンを探していた
そんな娘の笑顔を見て私は思う
「自己満足でもよかったではないか。明日からまた仕事頑張ろう」
北林